蜂の子はメニエール病の予防、改善に効果があります。
ここでは、蜂の子のメニエール病に対する効果や、効果のある成分について説明します。
メニエール病とは?
メニエール病とは、耳の内側のリンパ液が増えて水ぶくれの状態になり、激しい回転性のめまい(ぐるぐる回るような感じがするめまい)や、片耳の難聴、頭痛、耳の閉そく感、吐き気などの症状が繰り返し起こる病気です。
メニエール病の原因
メニエール病の原因は、まだはっきりとはわかっていません。
ただし、次のことが原因ではないか、と推測されています。
- ストレス
- 睡眠不足
- 免疫力の低下
- アレルギー
- 気圧の変化
- 疲労
蜂の子は、これらの原因の中の、
- ストレス
- 睡眠不足
- 免疫力の低下
- 疲労
を予防、改善する効果があります。
蜂の子のメニエール病の原因に対する効果
ストレスを予防、改善する
ストレスを感じると、自律神経の働きが乱れます。
自律神経は、身体のさまざまな器官を調整するところで、交感神経と副交感神経の2つがあります。
交感神経は、昼間などの身体が活動している時に活発に働き、副交感神経は就寝中や休憩中など身体が休んでいる時に活発に働き、状況に応じて常にどちらかが、優位になって働いています。
自律神経が乱れると、交感神経が常に優位の状態が続き、緊張が解けずに血管が収縮し、血液の流れが悪くなります。
内耳で血流が悪くなると、三半規管や蝸牛(かぎゅう:耳の奥にある聴覚をつかさどる器官)に血液が行き渡らなくなり、機能が低下してめまいを感じる場合があります。
また、ストレスホルモンのひとつの抗利尿ホルモンの分泌量が増え、内リンパ液が過剰に生成されて内リンパ水腫になって、めまいを引き起こす場合があります。
メニエール病は、先進国の人に多く、発展途上国の人には少ないので、ストレスが大きく関わっているのではないか、といわれています。
蜂の子には、ストレスの予防、緩和に効果がある、
- トリプトファン
- メチオニン
- フェニルアラニン
- チロシン
などのアミノ酸が含まれています。
トリプトファンとメチオニンは、「幸せホルモン」とよばれ、神経を安定させてこころにいやしを与え、ストレスを予防、緩和する働きがあるセロトニンの材料となります。
フェニルアラニンとチロシンは、やる気や集中力を高めて、ストレスに対抗するノルアドレナリンやドーパミンの材料となります。
ノルアドレナリンやドーパミンが不足すると、イライラしたり、不安を感じたり、やる気が低下したりしてストレスを感じます。
また、蜂の子にはその他にも次の成分が含まれているので、これらの成分との相乗効果で、ストレスを予防、緩和します。
成分名 | 効果 |
---|---|
ナイアシン | 不足するとセロトニンの生成ができない |
グリシン | セロトニンを増やす |
リジン アルギニン |
リジンは、アルギニンと摂取するとストレスや不安をやわらげる |
ビタミンB1 | 神経を正常に保って、不安やいらいらを感じにくくし、ストレスに対する耐性を高める |
パントテン酸 | ストレスに対抗する働きがある副腎皮質ホルモンの生成を助ける |
ビタミンC | ストレスに対抗する副腎皮質ホルモンの生成に必要 |
カルシウム | イライラを防いで、精神を安定させる |
マグネシウム | ・イライラを防ぐ ・筋肉の緊張を解いて、身体をリラックスさせてストレスを緩和する |
亜鉛 | ・精神を安定させる ・ストレスを感じると消費され、不足すると気分が落ち込んでさらにストレスを感じる |
睡眠不足を予防、改善する
睡眠不足も、自律神経を乱す原因となるので、メニエール病の原因となると考えられています。
蜂の子には、睡眠不足の予防、改善に効果がある、トリプトファンやグリシンが含まれています。
トリプトファンの働き
上記の「ストレスを予防、緩和する」で述べたように、トリプトファンやメチオニンは、セロトニンの材料となりますが、セロトニンは、メラトニンの材料にもなります。
メラトニンは、体内時計を調整して、決まった時間に眠くなるようにする働きがあるので、トリプトファンやメチオニンは、睡眠不足の改善にも効果があります。
グリシンの働き
グリシンは、手や足などの末端の血流をよくする働きがあります。
末端の血流がよくなると、身体から熱が放出され、反対に身体の深部の温度が下がります。
人は、身体の深部の温度が低下すると眠くなるので、グリシンには入眠をスムーズにする効果があります。
また、グリシンには
- レム睡眠・・・脳が起きていて働いている状態
- ノンレム睡眠・・・脳も休んでいる状態
のサイクルを調整し、熟睡感が得られるノンレム睡眠の回数を増やします。
さらに、セロトニンを増加する働きもあるので、グリシンは睡眠不足の予防、改善に、大変効果があります。
免疫力を向上させる
ヘルペスウイルスなどのなんらかのウイルスに感染している人は多くいます。
これらのウイルスは、免疫力が高い時には活動できないため、健康な時には症状はありません。
しかし、免疫力が低下すると、ウイルスが活動をはじめます。
内耳でウイルスが増加すると、内耳のリンパ管に炎症が起きます。
そうなると、リンパ管に傷がついてリンパ液が流れ出し、内耳に溜まって水腫ができて、三半規管や蝸牛に異常が起き、めまいや難聴が起きる場合があると考えられています。
蜂の子には、免疫力を高める効果があるアルギニンや、ビタミンCが含まれています。
アルギニンの働き
アルギニンは、ウイルスや細菌を直接殺す働きがある一酸化窒素を生成します。
また、一酸化窒素は、血管を拡張したり、弾力を与えたりして血行を良くする働きもあり、冷えを改善する働きもあります。
冷えは、体力を低下させて、免疫力も低下させてしまいます。
ビタミンCの働き
ビタミンCは、ウイルスや細菌を攻撃する働きがあるマクロファージや好中球の働きを活発にして、免疫力を高める効果があります。
また、ストレスは、免疫力を低下させます。
ストレスを受けると、抗ストレスホルモンのコルチゾールが分泌されますが、コルチゾールには免疫力を低下させる作用があります。
ですので、長期間ストレスを感じると、免疫力が低下します。
蜂の子には、上記の「ストレスを予防、緩和する」で述べたように、ストレスを予防、緩和する効果があるので、ストレスによる免疫力の低下を防ぎます。
蜂の子には、その他にも次の成分が含まれているので、これらの相乗効果で免疫力を高めます。
成分名 | 効果 |
---|---|
亜鉛 | 免疫細胞の白血球の働きを活発にする |
銅 | 免疫細胞のT細胞やマクロファージなどのエネルギーをつくりだすチトクロムCオキシダーゼの材料となる |
疲労回復効果
疲労も自律神経の乱れを引き起こす原因となります。
蜂の子には、栄養素が豊富に含まれているので、滋養強壮、疲労回復効果が高いです。
たんぱく質は、身体をつくり、身体を強くしますが、蜂の子にはたんぱく質の材料となるアミノ酸が
19種類も含まれています。
また、アミノ酸の中のアスパラギン酸は、疲労物質の乳酸やアンモニアを分解して疲労を回復します。
蜂の子には、その他にも次の成分が含まれているので、これらの相乗効果で疲労を回復します。
成分名 | 効果 |
---|---|
BCAA(バリン、ロイシン、イソロイシン) | 筋肉をつくり、傷ついた筋肉を修復して筋肉の疲労を回復する |
アルギニン | アンモニアを分解する |
ビタミンB1 | ブドウ糖をエネルギーに変えて、疲労を回復する |
ビタミンB2 | たんぱく質、炭水化物、脂質をエネルギーに変える |
ビタミンC | エネルギーの産生を妨げて疲労を感じさせる活性酸素を除去する(抗酸化作用) |
パントテン酸 | ・ビタミンB1やB2の代謝に関わり、エネルギーを産み出す助けをする ・ストレスに対抗する副腎皮質ホルモンの生成を助けて、ストレス性の疲労を回復する |
マグネシウム | ・エネルギー代謝を促して疲労を回復する ・筋肉の緊張を緩めて、筋肉の疲労を回復する |
蜂の子に含まれる昆虫ホルモンの働き
蜂の子は、中国では古くから漢方薬として使用されています。
蜂の子は、昆虫なので「昆虫ホルモン」を含んでいます。
中国医学では昆虫ホルモンには、
- ホルモンバランスの乱れを整える
- リンパ液の働きを促進する
- 副交感神経に働きかけて自律神経を調整する
という連動した3つの働きがあると考えられています。
この3つの働きによって、蜂の子にはメニエール病、めまい、難聴、不眠などに効果があるとされています。
メニエール病に対する蜂の子の効果の実験
岐阜大学医学部付属病院、青木光広臨床准教授らによって、酵素分解蜂の子(タンパク質をペプチドやアミノ酸の状態に分解した蜂の子)の耳鳴り、難聴に対する効果の実験が行われました。
耳鳴りを伴う難聴患者60名を、酵素分解蜂の子を飲んだグループとプラセボ(偽薬)を飲んだグループに分け、12週間摂取してもらった結果、酵素分解蜂の子を飲んだグループでは、聴こえやすい方の耳の聴力が著しく回復したことが判明しました。
また、耳鳴りや耳鳴りに伴う苦痛が、酵素分解蜂の子を飲んだグループのみ、改善したことも判明しました。
さらに、酵素分解蜂の子を飲んだグループは、難聴の原因のひとつとされているコルチゾールの分泌量が減っていることも判明しました。
この実験により、酵素分解蜂の子には、メニエール病の症状の耳鳴りや難聴を改善し、原因のひとつとされているストレスによるコルチゾールの増加を防ぐことが判明しました。
まとめ
蜂の子には、メニエール病の原因とされている
- ストレス
- 睡眠不足
- 免疫力の低下
- 疲労
を予防、改善する効果があります。
また、中国医学では、蜂の子に含まれている昆虫ホルモンには、
- ホルモンバランスを整える
- リンパ液の働きを促進する
- 副交感神経に働きかけて自律神経の乱れを整える
という効果があるので、メニエール病やめまい、難聴、不眠の予防、改善に効果があるとされています。
岐阜大学医学部付属病院、青木光広臨床准教授らの研究でも、蜂の子には、
- 耳鳴りや難聴に伴う苦痛をやわらげる
- より聴こえる方の聴力を回復する
- 難聴の原因のひとつのコチゾールの分泌を抑える
などの効果があることが判明しているので、メニエール病の人は蜂の子を摂取することをお勧めします。蜂の子の形や味が苦手な人はサプリメントで摂取するといいでしょう。
(参考文献)
蜂の子はメニエール病の症状改善に効果あり
http://www.alacolo.org/07.html